菓子の作法
「慶賀の表象云々」と『瀧研料理通』の中に出ている説がありますが、全文を引用すれば・・・
重き慶賀の振舞には茶請に水栗といふて生の栗を巴の形にむきて、茶請の盛合はせにする古実也。
これは巴の形立波の打合清正の水形也、三ツ巴にむくは三数也、又一説に住古のヒ筒中筒底筒の三神也。
是も清き水に住むなればむべ也、いつれも清き水此巴形の水栗にて口を清め茶を請るといふ。
傍って神前の手水鉢などにも三ツ巴をつけると見えたり。
茶事の会席には、茶請に水栗を用ひず、凡て茶事には中立をしてかこひへ入るときに手水を遣ひ席へ入る故に水栗を付けるに不及。
茶人は此の意味を知る事なり。茶流に又栗鉢といふあり。
昔は茶事に用ひたる道具と見えたり。当時は其沙汰を聞かざるなり。
・・・この説によると、水栗は毒消しのためというより、これで口を清めるので、水栗というけれども必ずしも水に浸したものでなく、生の栗を巴状にむいたものだといいます。
今のティーバッグのお茶ともよく合いそうですよね。
しかしこの水栗で口を清めるということは、茶事の時の如く手水を使い口をすすぎ席入する場合には、最早や必要としませんから、茶事の時はこれを出すに及ばないといいます。
・・・これは遠州流独特の定めであるらしいですね。